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府中在住のサラリーマンによる、日々の記録。子育て(兄と妹)/ご当地ソング/マンガ/ラジオ などのお話。記事に合わせて一曲選曲します。

【読書記録:2020年2月】ベストブックは「下り坂をそろそろと下る」

今月は、幅広いジャンルから読みました。
図書館が、新型コロナの影響で利用制限されていて、本が少し借りにくい…。

2月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:2393
ナイス数:115

今月のベストブックは「下り坂をそろそろと下る」でした!

下り坂をそろそろと下る (講談社現代新書)下り坂をそろそろと下る (講談社現代新書)感想
★4.5:成熟社会で地方かどうあれるか、豊岡、小豆島、女川などの事例とともに考える本。生産・消費という外的な豊かさから、内的な豊かさかが求められる中で、演劇の例を筆頭に文化新興を通じたコミュニケーションを深めることが必要だと投げかけます。高校時代に演劇をやったけど、今思えば世を生きるためのたくさんが詰まってたなぁ。自分(役)が何者で、伝えるためにはどう表現すべきか。どんなシナリオで見せれば人の心は動くのか、とかとか。当時は遊びだったけど、教育としてとてもいいなと思った。
読了日:02月06日 著者:平田 オリザ


地図で読み解く京王沿線地図で読み解く京王沿線感想
★4.0:京王線沿線の歴史・街の成り立ちが分かる本。京王系の書店で山積みにされていますが、京王ユーザーは読んでおくと町の見方が変わるので、必読だと思いました。例えば、府中の競馬場は目黒が移ってきたと知ると、目黒が近しく感じるし、跡地はどうなったのかなと気になって、連鎖的に町への関心が広がる。街の歴史はとてもおもしろいのに、とっつきにくい本が多いので、本書みたいなのが増えるといいな。
読了日:02月07日 著者: 


ママたちが非常事態!?: 最新科学で読み解くニッポンの子育てママたちが非常事態!?: 最新科学で読み解くニッポンの子育て感想
★4.0:人類は、もともと育てにくい子供を“共同養育”することで進化してきた。それができない現代は、動物的な摂理とずれて問題が出てきている。以下ポイント:共同養育仲間としてママ友を求めることは自然/母性ははじめからあるのではなく経験を通じて育まれる/子供が夜起きるのは、胎児のとき母親に負担をかけない習慣の名残/イヤイヤ期は、欲望機能が発達し、抑制機能が追い付いていない状態。抑制機能はオンオフを繰り返し働かせることで鍛えられる/妻が夫にイライラするのは、オトキシンの分泌で、子供に害する存在に攻撃的になるから。
読了日:02月11日 著者:NHKスペシャル取材班


カスハラ モンスター化する「お客様」たちカスハラ モンスター化する「お客様」たち感想
★3.5:本来、対等な契約関係であるはずが、日本的なオーバーサービスや「お客様は神様」といった言葉が、ここまで客をつけあがらせてしまったという話。原因として「自意識の肥大化」と「他社への想像力の欠如」が挙げられている。昔のクレームは、客が「企業に良くなってほしい」という思いがあったから企業も受け止めてきた、という一節が印象的だった。今のクレームは、クレーマー自身を起点とした「勝ち取るため」「相手を正してやるため」といった動機に変わっているのかもしれない。
読了日:02月11日 著者:NHK「クローズアップ現代+」取材班


ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルーぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー感想
★4.5:親の視点で、イギリスの中学生ライフが綴られてます。異なる文化を知ること、多様化する社会とのつきあい方、多感な子供の成長録。色んな興味深さが詰まってました。話はとっても読みやすいのに、各エピソードとも、世の中の深淵が垣間見えます。そこに初めて触れた子供と、答えを持っていない大人と「さぁ、どうしよっか」と一緒に世界に向き合う感じが、とても良かったです。読みきる前に図書館に返されてしまったので、続き読まないと。
読了日:02月19日 著者:ブレイディ みかこ


学び効率が最大化するインプット大全学び効率が最大化するインプット大全感想
★3.5:インプットは心がけているので、インプットを効果的にする方法論を探して読みました/ネットから得る情報:本から得る知識を、3:7で取る/マンダラチャート/寝る前の15分が大切、寝る前に本読んでそのまま寝ると定着しやすい/適度な運動も定着しやすくなる。
読了日:02月23日 著者:樺沢紫苑


たった1日で声まで良くなる話し方の教科書たった1日で声まで良くなる話し方の教科書感想
★3.5:話し方はトレーニングで鍛えられる。より良いコミュニケーションのための伝え方ハウツー本。ラジオパーソナリティをやっていることもあり、自分の話し方を客観的に聞く習慣はあるのですが、いつも反省してそのまんま…。毎日、滑舌訓練・五分朗読が出来れば変わりそうだな。家のどこでやろうかな…。
読了日:02月23日 著者:魚住 りえ


地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団感想
★4.0:不動産の架空取引で儲けようとする詐欺師たちの実態に迫ったノンフィクション。手口は細かく書かれていないのに、めっちゃ分かりにくいので、すげえ複雑な手口なんだろうなー。なりすましが平気で成立することに、世の仕組は性善説で出来ているんだろうなと感じる。また、騙す相手が資産家や大企業であり一事案の金額がでかいこと、仕組が複雑で関係者が多岐にわたり全容解明がされにくいこと、放火・殺人などの犯罪に比べて罪が軽そうなこと、この辺りから、リスクに対して対価が高い犯罪という印象を受けた。
読了日:02月25日 著者:森 功


僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか? (星海社新書)僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか? (星海社新書)感想
★4.0:再読。「給料は労働力を売って得た対価」と記憶してたけどちょっと違った。「給料は労働力を再生産するためのコスト」でした。給料が上がっても楽にならない理由は、必要な再生産コストも上がっているためで、それは終わりのないラットレースだと主張します。じゃあ、レースから抜け出すにはどうすれば?大きく2つ。心的負荷が少ない仕事に着いて再生産コストを下げること。そして、積み重ねがいきる仕事をして、徐々に仕事を楽にすること。ふむふむ。変化が遅い業界を勧めたり、少し今のトレンドとは違う所も興味深い本でした。
読了日:02月26日 著者:木暮 太一


新・都市論TOKYO (集英社新書 426B)新・都市論TOKYO (集英社新書 426B)感想
★4.0:都市の仕事をして、10年くらいになりますが、本書も約10年ぶりに再読。各都市の話も面白いけど、最終章が印象深い。都市は投資の対象になった結果、膨らむ金融に合わせて、身の丈を越えた姿(バーチャルとも)になり、リスク分散が上手な姿になってしまった。かつては暮らしの変化や、産業集積の結果の都市だったのに。文末のフレーズが印象的「もっとも有効なリスク管理は、歴史の継続性とクリエイティビティ」。経済が縮んでいく日本の都市は、どう変わっていくのかなぁ。
読了日:02月26日 著者:隈 研吾,清野 由美