あるブログ

府中在住のサラリーマンによる、日々の記録。子育て(兄と妹)/ご当地ソング/マンガ/ラジオ などのお話。記事に合わせて一曲選曲します。

「成瀬は天下を取りにいく」の恋愛と地域性

本屋大賞で話題だった「成瀬は天下を取りにいく」を読みました。破天荒な主人公・成瀬あかりが繰り広げる青春ストーリーです。

話題なだけあって、読みやすくそして痛快で爽やか、めっちゃ面白かったです。

【あらすじ】

中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。コロナ禍、閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。さらにはM-1に挑み、実験のため坊主頭にし、二百歳まで生きると堂々宣言。今日も全力で我が道を突き進む成瀬から、誰もが目を離せない!

恋愛物の「レッツゴーミシガン」が好き

物語はいくつかの短編で構成されていて、エピソード毎に視点が変わります。少しずつ時間は経過するんだけど、主人公・成瀬あかりが中学2年〜高校3年までを描いています。

青春ど真ん中。将来なんてどうなるか分からない、無限の可能性が広がるあの頃です。まぶしいよ…

そんな中で、一番好きなのは「レッツゴーミシガン」というエピソード。百人一首の大会で県外からきた男の子が成瀬に恋をする話です。そうです「恋愛」です、きゃ。

最終的には振られるんだけど、お互いが気づきを得て成長している感じが良いです。また、長いこの先の人生で交わる未来がありそうだな、と思わせてくれるところもステキです。

僕が、恋愛ものに求めるものは「自分との対話」そして「その先の希望」です。何を求めとんじゃ。そんな僕の好みを十分にマーケティングして、最高な感じで盛り込んでくれているエピソードでしたね。

そして、やっぱり地域性

この作品は、滋賀県大津市が舞台です。作中には、いたる所にローカルな要素が盛り込まれています。この、モリモリな地域性も強烈な魅力になっています。

本作の地域性はとても奥深いです。メジャーな観光地が舞台としてちょいと出てくる感じではなく、スポット・グルメ・音楽・文化と、それに対するが市民の気持ちがストーリーの本筋に組み込まれています。大津市における大津市民だからこその物語になっています。

昔からある地域一番の百貨店への想い、百人一首の根づき方、夏祭りで流れる江州音頭などなど。地域性ってドラマをオンリーワンにしてくれますよね。「これこれぇ!さすが地域性!」と思いながら読んでました。

続編もはよ読みたい

本作が紹介されるとき、主人公・成瀬あかりのキャラクターに焦点を当てられる事が多いんだけど、こんな感じで、ストーリーと地域性もとてもステキです。

続編の「成瀬は信じた道を行く」も読むのが楽しみです。

江州音頭

江州音頭

  • 木村新平
  • ワールド
  • ¥153
  • provided courtesy of iTunes