栃木県足利市にある渡良瀬橋の周辺を舞台にした、森高千里の1993年の曲です。
恋愛の思い出をつづった歌で、恋愛ストーリーと街の情景がベストマッチな内容です。多くのアーティストにカバーされており、愛されるのもうなずける傑作です。
歌詞の中には「床屋の角にぽつんとある公衆電話」というフレーズがあり、実在する公衆電話だそうです。
この公衆電話は曲のヒット後にNTTで撤去予定だったところ、市側が要望して撤去をやめさせたそうです。これ結構すごいエピソードですよね。
史跡でもない公衆電話が、市に深く根差した存在として扱われ、経済的なアクションに対抗したんです。歌が、何気ないものを価値のあるもの、街にとって不可欠なものにしたわけです。
歌は時代の写し鏡として、時代ごとの風景を切り取るけれど、その街の風景はどうしても移り変わってゆくもの。いつか、この床屋や、公衆電話や、そして渡良瀬橋から見える夕日が、今と違う形に変わってしまうかもしれません。だけど地域で大事だと思うものを、未来へ繋いでいくアクションはとても大切な事。
歌がそんなアクションに繋がった、興味深いエピソードでした。