「佐賀県のうた」と聞かれて大多数がイメージすのは、はなわの歌ネタ「佐賀県」ではないでしょうか。とんでもなくインパクトのある歌です。ベースの弾き語りってのも印象的でした。
所謂、あるあるネタを含みつつ、過剰なまでに田舎感を押し出した歌詞ですが、佐賀に住んでいない人にはその真偽が分かりません。「山下さんち前」というバス停があるとか、ネタ向けにデフォルメした内容なんでしょうが、この「ほんと!?」感と、「いや、佐賀ならありえるのか…」感のバランスが絶妙です。
この曲がヒットした1つのポイントとして、
地域の足りないところを臆面の無く伝えること、つまり「ネガティブさを引き受ける」形のご当地愛が当時まだ新鮮だったから、と思っています。ご当地ソングとして、これまでなかった立ち位置というか。
今では、このスタイルの地域振興は結構定番になりました。
色んなローカル自虐を扱ったコンテンツは多く、自治体の公式CMでも
- おしい!広島県
- ほぼ東京、とにかく住んで。川口
といったキャッチフレーズを、自ら打ち出しています。
ただし、やはり自虐はあくまでもネガティブ要素の再解釈であって、本来持っている魅力とはまた別のはなし。ネタとしておもしろくても、選ばれる地域になれるかは分かりません。
このあたりが、知ってもらってから実際に地域活性化に繋がるまでの距離感でもあり、PRの難しさだなと思います。