平井堅のシングル曲「桔梗が丘」は、母親から子供への愛情を歌った曲です。
つづられているのは深い親心ですが、子供のいない私としては親の顔が浮かんで「親孝行しなきゃな…」としんみりしてしまいますねぇ。
この曲名、ドンずばりの特定の地名で、めっちゃ地域に紐づいているにもかかわらず、街の様子は一切歌われていません。桔梗が丘、どんなところなんでしょうか…。
歌詞の全てが、子供に向けられた深い深い慈愛の詩。
唯一、土地を感じさせるのは
「ここだけはあたためておこう」
という、サビの結びのワンフレーズのみ。
これがすごいお見事ですよね。
子供がいつでも帰ってこられる場所でありたいという親心を伝えるのに、具体的な街をタイトルにしたことで、変わらない場所であることや思い出が刻まれていることが伝わってきて、すごい説得性が増しているんですよ!
これが「ホームタウン」みたいな凡百のタイトルだったら、この歌がもっているやさしい暖かさが出ません。
平井堅自身の個人的な思い入れがある街の名前をつけるからこそ、聞いた人一人一人が自分の町に置き換えて、より自分事として故郷と家族を思う事ができるんですね。
布団乾燥機をかけた直後のような、やさしいほっとする暖かさ。
ミサワホームのCM曲になったというのも、うまいタイアップの仕方です。
子供が生まれたら、またグッと聞き方が変わるんだろうな~。