2021年のマンガ大賞になった「葬送のフリーレン」を読みました。
既巻4巻なので手を出しやすいボリュームです。
舞台はRPG的で、中世ヨーロッパ的なファンタジーの世界。そして、魔王を倒したその後の世界のお話です。
主人公のフリーレンは勇者のパーティに所属していた魔法使い。エルフ族で、どうやら1000年以上生きる超長寿みたい。
勇者や僧侶は人間なので、魔王を倒したその後に平和に余生を過ごして亡くなるんだけど、フリーレンはそこで再び旅に出ることになります。
これ週間連載なの?という話の密度です。
10巻くらいできれいに終わったら傑作になるな。これは面白いです。
魅力的だったところはこんな所。
- 「魔王を倒したその後」というのはそこまで珍しくない設定だし、世界観も伝統的なRPGファンタジーなんだけど、めちゃくちゃ丁寧に作られているなと思う。村や町の造形、補助魔法をしっかり使った戦闘シーン、冒険に合わせて平気で過ぎ去る年月。RPGを丁寧に丁寧に漫画化していて、どこをとっても冒険をしている気になれます。
- 今は無き勇者パーティの回想エピソードが出る度に、「さすが勇者!」と聖人っぷりに株が上がる。死んでいるキャラクターを掘り下げ続けるというのがとても新鮮であり、不思議な爽やかさがあります。
- 話題に上がらないかつて討ち取った魔王の存在だったり、女神の存在だったり、さらに話が広がりそうなのも楽しい。
これは追いかけなきゃいけない作品だわ。
葬送のフリーレンを読んで思い出した曲が。BaseBall Bear の「The End」。
まさに魔王を倒したその後の歌なのよね。聴きながら読んでみて!
魔法を忘れて 仲間とも別れて
戦うべきものも いまはもう無い
エンドロールは走馬灯じゃない
物語に終わり何てものはない
「めでたしめでたし」じゃない
僕の生活は 終わらない