東京のイメージが強い椎名林檎ですが、1stアルバムの1曲目の舞台は福岡でした。
今回の曲は、1stアルバムである「無罪モラトリアム」に収録されている「正しい街」です。
歌詞からは
- 夢を追って福岡を飛び出したこと
- その際に恋人と別れたこと
- 今、都会の暮らしに慣れずに、福岡をどこか懐かしく思っていること
が読み取れます。
椎名林檎自身も福岡出身という事もあり「この歌詞は実話なのかな?」と妄想が膨らんでしまいますね。
「無罪モラトリアム」の中には、「歌舞伎町の女王」や「丸の内サディスティック」など、ザ・東京ともいえる歌も収録されています。この2曲だけ聞くと「椎名林檎は東京の酸いも甘いも知りつくしていそうだな、大人の人なんだなぁ」てなイメージですが、その裏で「正しい街」からは東京への戸惑い・故郷への郷愁を抱えている事をにおわせています。
意外な一面ですね。
複数の曲が影響しあって、アルバム全体でつくられる世界観・人間観。これはすごい。
東京は「今」、つまりはこれから人生の象徴であり、
故郷福岡は「過去」、つまりはその人自身の象徴。
地名を通じて、曲ごとに多様な視点が見えてきて、アーティストの人間深さが出ているアルバムだなと感じます。