民謡、それは歌い継がれ伝承してきた土着の歌。
それはもう、ザ・ご当地ソングのことです。
さて、では新民謡はご存知でしょうか。
新? アタラシイ?
そうです、普通の民謡とは少し違っています。
新民謡は、大正から昭和にかけて “作られた” 民謡調の曲のことをさします。
曲のテンションは似ていたとしても、出どころが異なっているんです。
今回紹介する、静岡の新民謡「ちゃっきり節」は
テーマパークのCMソングとして、鉄道会社が作成したものだそうです。
「ちゃっきり」とは「茶切」。
すなわち茶摘み、静岡らしい歌に感じますね。
僕はこの曲を、静岡のよさこい祭りに参加した時に知りました。
よさこい東海道とか、がんこまつりに、かつてはよく踊ったもんです。祭りのとき、静岡のよさこいチームは、曲の中に「ちゃっきり節」を入れていたので、「静岡の民謡」だと思っていました。
民謡と新民謡。
定義としてみると、確かにこの違いは大きくて別物だと理解できます。
けど、その境界はどんどんあいまいになっていく気がします。
静岡の部外者の僕にとって「ちゃっきり節」は普通の民謡となんら変わらなかったように、地域に定着し、地域の人たちに歌い継がれていくのであれば、時を経ていつか民謡との垣根がなくなってしまう時が来るのではないでしょうか。地域に親しまれる伝承歌であれば、それはもう民謡ですからね。