あるブログ

府中在住のサラリーマンによる、日々の記録。子育て(兄と妹)/ご当地ソング/マンガ/ラジオ などのお話。記事に合わせて一曲選曲します。

キャッチーじゃないと誰も聞かない

 

ビバラの一幕

イントロをやろうとしていた人が「答えるのアーティストだけじゃダメですか?」と聞いているシーンがありました。つまり「曲名はあまり分かりません」って事で。

その一方、クリープハイプはMCの中で「一番覚えていて欲しいのは曲だけなんです。バンド名はどうでもいいので、曲だけは覚えて帰ってください。」と言っていました。アーティストたるもの、生み出した作品が広くみんなに親しまれて欲しい。そういう事なのでしょう。

 

なるほど。
ライトなオーディエンスと、何やら発信したいアーティストの間に意識の差があるなと感じました。

 

予襲復讐

関連する余談。
マキシマム・ザ・ホルモンが2013年に出したアルバム「予襲復讐」は、レンタル屋には並ばずにセルオンリーの作品なんだけど、ホルモン側の意図として「レンタルやネットだと歌詞カードすら見てもらえず、自分たちの作品のメッセージが伝わらない。なんとか伝えたいので、歌詞の解説漫画付きで販売限定商品にしたよ」というような事が解説漫画に書いてありました。

ホルモンはまさに、ライブパフォーマンスとか曲のノリで有名になった感じなので、何とか曲の意図もじっくり知ってほしいとも思っての販売方法だったようです。

予襲復讐

予襲復讐

 

 

3つの特性

これを考えると、アーティスト側の特性と聞き手の求めている特性がマッチングするかどうかが重要だと感じました。その特性は、大きく3つ設定します。

  1. ライブ性
  2. 音楽性
  3. キャラ性   です。

 

【ライブ性:ライブでのパフォーマンスやMCでのエンターテイメント性】

ダンスユニットとかもそうだろうけど生で見てこそ面白い。ライブで魅力が何倍増しにもなるサンボマスターとかホルモンもこの特性が強い。

【音楽性:そのアーティスト固有の音楽であるかどうか】

歌や演奏がうまい、歌詞がいい、それ以外にも、他にない換えのきかない音楽であれば、音楽性が高いことになるのかなと。ライブもしないし、キャラクターもよくわからない、それでも売れていたZARDとかGReeeeNとか、音楽性が広く一般に受けたのかなと。

【キャラ性:そのアーティストの人としての魅力】

アーティストではアイドルとかジャニーズが代表格。グループを無条件で認めているファンが多い。人格が売りものなので、スキャンダルがファン離れを招く。ベッキーみたいなタレントはキャラ性オンリーだからスキャンダルは即アウトに繋がるけど、音楽性で売っているだろうゲスの極みはイメージが悪くなっても会場を一杯に出来る。求められているのはキャラクターじゃなかったのです。

 

まとめると…

基本的には、アーティストの魅力に応じたファンが付くんだけど、フェスという場面に限られると、ライブ性をメインで求めている聞き手ばっかりだから、アーティスト側もライブ性のあるパフォーマンスが求められちゃうんだよね。

とにかく生で見て、短時間で面白かったかどうかが重要。
有名な曲で興味を引けるかどうか、いいなと思ってもらえるかどうか。
メッセージを伝えたり、ゆっくり音楽を楽しむ場にはならない。

 

そう、オーディエンスからするといいとこ取りのお祭り空間なフェスだけど、アーティスト側からすると成長の場にはなりにくいのかなと。

 

フェスアーティストを代表してキュウソネコカミが以下のように代弁しています。

ファッションミュージック鳴らせないと生き残れないこの世界では
俺が何か叫んだ所で、キャッチーじゃないと誰も聞かない
それでも何かを叫んでいる誰かに届くまで叫んでいる
俺らが世界を変えてやるって意気込んでもきっと意味は無い

キュウソネコカミ/ビビった