海外で人気のコーヒー屋の日本一号店ができて、連日すごい行列ができたとします。
そんな話題のお店に行く人は、
「豆にこだわったコーヒー」を消費しに行くのではなく、
「話題のお店を体験」という形で〝情報〟を消費しに行ったと言えます。
もちろん中には
「この店のロースト方法はとても素晴らしい」
とコーヒーとして消費している客もいるとは思いますが、
大半はそんな事分かっていないでしょう。
上の話は、話題のお店に行くのをディスっているのではなく、
旅行先で、ご当地の名物を食べに行くように、
味云々じゃなくて、食を通じた体験に重きを置いているイメージです。
さて前置きが長くなりました。
学生時代から社会人まで、長年沼津のお祭りに参加していましたが、
毎年毎年、昼はハムカツサンド、夜はお好み焼き屋に行き
遠征らしからぬ食生活を、毎年繰り返していました。
ハムカツは2日間で4回食べるのはザラでした 笑
所謂沼津名物の、海鮮や黒はんぺんは食べたことがありません。
今回沼津に立ち寄った時も、迷わずハムカツを買いに行きました。
このお店、コスパはメチャクチャいいけど、味は普通っちゃ普通です。
ご当地ものを食べたほうが思い出に残りそうなのに、
なんでこんな行動をとっちゃうんでしょう。
今回も、わざわざ駅から歩いて買いに行くほどかな?
と考えましたが、私が消費しに行っていたものは1つ。
思い出です。
このハムカツ屋、最初の数年は
- 「祭りの合間に高コスパで食べられるから」
と商品として消費していた気がしますが、数年の内に、
- ヨーデルに教えてもらった店
- 祭りに行ってみんなに紹介したいお店
- 向かいのパチンコ屋のトイレに駆け込んだ
と、ドンドンストーリーが付加されて、気づけば思い出のお店になっていたのです。
ハムカツ屋の思い出>ご当地ものを食べる
という価値体系が出来上がっちゃったんですね。
そんな訳で
今後の人生、食にはストーリー性が重要だなという気がしてきました。
日本酒もいろいろ飲んできたけど、
舌バカなのか、あんまり味の違いは分かってないです。
しかしハムカツの話と同じように
思い入れがあって、個人的にストーリーがあるものは
(喜正とか、多満自慢とか、白滝とか、伯楽星とか)
見かけたらきっと手を出すでしょう。
選ぶ理由は「他よりうまいから」じゃなくて「思い入れがあるから」。
人に勧められる必殺の旨い酒も欲しいんだけど、
思い入れのある酒がドンドン増えたら、
酒屋が楽しくなるなと思いました。
コーヒーの話でも、ハムカツの話でもなくて、
言いたかったのはこれ 笑
話が散っちゃったので、日本酒に特化してそのうち書きたい。