音声コンテンツの時代
「club house」とうアプリがちょっと前に流行りました。雑談を聞けるサービスでした。その時、「音声コンテンツの時代がついに来た!」と言われてました。
このclubhouseブームの前から、そしてその後も、何度も何度も何度も「音声コンテンツの時代が来る」と言う言葉を聞いてきた気がします。
僕は、2007年~2009年頃にpodcastの配信をしていました。その当時も「これから個人の音声コンテンツが来る!」という言葉を聞きました。podcastのポータルサイトもたくさん立ち上がっていたので「これは来るな…もしかして時代を先取りしちやったか?」と胸を踊らせました。
その後、何度も「時代が来るよ!」「今度こそ来るみたい!」「あっ、来るって!ほんとほんと!」「あ、そろそろ、来たかな。あれかな?」と、音声コンテンツ来る来る詐欺を聞き続けてきました。
今度こそ来た…のか…?
この「次こそ来るよ!あっ来た!」と言う話を聞く時、セットで必ず語られる理由があります。それは
「コンテンツは飽和してるけど人の耳は空いている。ながら聞き需要はある。」
と言うやつです。
来た来たと聞き続けている間に色んな新しいものも生まれるわけで。ここ5年くらいで、voicy、stand.fm、spoonなど、音声コンテンツのプラットフォームがジワジワと増えてきました。
「えっ…ついに時代が来たの?」
と感じている人は多いのではないかと思います。
この、来る来る詐欺が繰り返されてきた間で、音声コンテンツは少し毛色が変わったなと思います。podcast黎明期の配信者は「ラジオ的な事をやってみたい」という人達が多かったような気がします。僕もそうです。
一方、ここ数年の音声コンテンツをやる人は、ラジオやりたい系ではなく、ブログとかyoutubeとか、情報発信の亜種として流行っているなと。だから10年前から地続きでの盛り上がりではないんですよね。「ほら、ついに来たよ!」と言われても、ちょっと違う人が来ちゃった感じ。
提供したい内容
ここから僕の話です。
僕はコミュニティFMのラジオ番組と、Spotifyのpodcastサービス「music+talk」で音声コンテンツを配信してます。そこで作りたいものは「音楽体験」です。
それは、新しい音楽との出会いだったり、エピソードによって聞こえ方がぜんぜん変わる経験だったり、音楽とトークの掛け合いだったり。
なので、新しい音声コンテンツのサービスが登場しても、音楽体験につながるサービスにならなければ興味は薄いかなと思ってます。
やっぱりラジオが一番。ラジオのライブ感や偶然性を得られる音楽体験はそんなにいないだろうなと思っています。
来たのか来てないのか、どっちなんだい
そんなわけで、既に来る来る詐欺に終止符が打たれているのか、これから別の人が来るのか、いや誰も来ないのか。この辺はよくわかりません。
とりあえず、今年もラジオとpodcastを続けながら、来たかどうか見守りたいと思います。