あるブログ

府中在住のサラリーマンによる、日々の記録。子育て(兄と妹)/ご当地ソング/マンガ/ラジオ などのお話。記事に合わせて一曲選曲します。

パッとしない子

 先日紹介したナベちゃんの嫁に引き続き、辻村美月の本の感想です。

タイトルは「パッとしない子」。

小学校の女性教師が主人公の話。

  • 学校の卒業生がトップアイドルになった。主人公はその弟を受け持っていた。
  • そのアイドルが、テレビの企画で母校にやってくる
  • アイドルが学生の頃からいた先生は主人公だけ、子供もアイドルのファンだし、学生の頃も色々お世話した記憶があるのでちょっと楽しみ。

という浮かれポンチから話はスタートします。
しかし悲しきかな。話はとんでもなくヒリつく展開になっていきます。

  • アイドルと控室で2人になるドキドキタイムが発生!
  • と思ったら、そのアイドルに昔から憎まれていた事が発覚し、公開処刑開始!
 
生徒から人気の教師だったはずなのに。
アイドルにも、その弟に対しても、理解ある教師だったのに。
むしろ、感謝の言葉を言われるかと期待していたのに。
 
自分の言動が、全て裏目に?ねじ曲がって?最悪な形で伝わり、
それを何度も重ねていた事で、憎しみの対象にすらなっていたことを知ります。
 
  • 言葉は「伝わり方を選べない」、そしてそもそも「意図がない言葉」もある
  • 先生からすると生徒は対30人の内の1人。けど生徒からすれば唯一の1人。その立場の違いが伝わり方をゆがめる
 
という、立場・言葉じり・意識・過去の環境・現在の環境
それら全ての重ね方によって「存在しうる最悪」に説得性を持たせていました。
 
 
アンジャッシュのコントと肩を並べるくらいの、認識のずれ系物語です。
辻村美月うまいね、そしてなかなか怖いね。
パッとしない子 (Kindle Single)

パッとしない子 (Kindle Single)