新生活の引越しにあたり、たくさんのモノを処分して、たくさんのモノを買いました。
思い切りはいい方なんで、ガンガン断捨離しました。ガンガン断捨離。
寝具も新しく買い直したのですが、処分がためらわれたものが1つありました。友達のおしょうさんからもらった毛布です。
「なんで友達から毛布なんてもらったの?」
そう思ったあなたのために、時を遡り全てを語りましょう。
ここから先は、すこし汚い表現を含みます。
2008年夏、仙台での学生時代当時。
僕の家で宅飲みをしていました。かなり激しい飲み会だった記憶があります。
これが飲み会後、生き残った僕が部屋の様子を撮影したものです。
左上に映るソーランのポスター、ベッドの後ろにあるプラカード、牛柄のコップ…
どれも懐かしい学生時代の部屋の光景です。
ベッドでダウンしているのはおしょう、床で倒れているのは2分です。
「おしょうも、口を開けてのんきに寝ているな」
この写真を撮影した当時、僕は思っていたことでしょう。
それが、今にも噴火しそうな火口だと気付きもしないで…
その後、僕も電気を落とし床で寝ました。
朝6時頃だったと思います、何故か2分はいなくなっていました。
未明に起きて帰ったのでしょうか。
見回すと、おしょうが廊下の方で横たわっていました。
「寝ぼけて移動したな、これは面白い写真だ」
そう思い、この写真を撮ったのだと思います。
まだ眠かった僕は、二度寝をしようと部屋に戻りましたが、
そこで異変に気づきました。
ベッド側の壁一面が真っ赤汚れていたのです。
血…?いや違う…?
落ち着いて状況を把握します。
- 下から吹き上げるように付いていた汚れ
- 倒れるおしょう
- 前日飲んだ300円のボトル「嬉しいワイン」は赤だったこと
すぐに、おしょうの口が噴火したのだと気づきました。
その後は介抱しながら、壁の汚れをずっと落としていました。ソーランのポスターは捨てました。
そんな中、布団は奇跡的に毛布1枚だけしか汚れていませんでした。相当の勢いと粘性だったのでしょう、壁が大半を受け止めていたようです。血迷っていた当時の僕は、その毛布を風呂で洗って使おうとしましたが、すぐに冷静になり捨てました。
ボロボロだったおしょうですが、8時過ぎには「ゼミがあるから研究室行かなきゃ」とフラフラと山の上へ向かって行きました。
その夜です。
おしょうが、三越の袋を持って僕の家に現れます。
代わりにこの毛布を使ってくれと。
これが僕が見聞きした、ことの真相の全てです。
それ以外の真実はありません。
それから長らく愛用させてもらい、
思い出とともに暖めてもらいました。
ありがとう。