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お前らは先に行け!

30代関東リーマンの、日々の暮らしや体験記。

おやすみプンプンという漫画文学

おやすみプンプンを読みました。

おやすみプンプン 1 (ヤングサンデーコミックス)

おやすみプンプン 1 (ヤングサンデーコミックス)

 

 

読み始めて最初は、なんてふざけた作品なんだと思いました。

 

書き込まれた世界観の中で、浅野いにおが描くかわいい登場人物たち、その中で主人公のプンプンだけが落書きのようなデザイン。それを全く説明せずに話が進んでいく。いや、そもそも「プンプン」って名前は何なんだよ!

どこかで説明があるのかな?成長とともに人間の形に戻るのかな?
と思っていたけど、最後までその説明はありません。

その他にも、ページいっぱいの変顔や叫び声など、テンションの振れ幅が激しすぎる。最初の1,2巻は、どう読んでいいのかわかりませんでした。

 

しかしそのキャラデザインも、誇張された感情表現も、読者が主人公にシンクロできるような仕掛けだと気づきます。そして、感情移入すればするほど、作品全体に流れる、陰鬱で悶々とした雰囲気が身を裂くようになります。

とてもまぶしく爽やかな少年時代から、徐々にレールから外れ、沈み込んでいくプンプンの人生。内気で照れ屋な少年が、歪んだ自意識の塊のようになっていく、その変遷がとても苦しいのです。

 

 

さて物語の中心である、田中愛子ちゃんを触れずにはいられない。プンプンの人生を狂わせた元凶であるとともに、希望で有り続けた存在。

読みすすめている途中で、僕は完全にプンプン化したので、愛子ちゃんが出てくると「おっ、愛子ちゃんだ!」と俄然テンションが上がっていました。愛子ちゃんが全く変わっていなかったと知った時は、悲しくもあり嬉しくも感じてしまいます。

 

 

読み終えた時は、なんともいえない喪失感でいっぱいになりました。
そして、ドッと疲れていました。

バッドエンドでもあるし、一定の救いを得たようにも感じる。
ただプンプンも愛子ちゃんも、 全てが思い通りに行かなかった。

 

いやぁ、色々と沁みました。
人生は誰かと関わるほどに、世界が広がって、思い通りにいかなくなるね。

ままならねーな、人生は!