鶴見の駅ビル「シアル鶴見」の中にある本屋がすごい良い。
テーマ別にコーナーを設けて、
雑誌はバックナンバーも揃えて、
店側が推したいもの・売りたいものをはっきり示している。
買わなくて、見るだけで楽しいコーナー。
今回は、そこで偶然やっていた「酷道」特集コーナーで、
勢いで買ってしまった本のお話。
酷道、酷い国道の事。
同じ意味で、険道、吐道、腐道、獰道なんてのもあるらしい。
言ってしまえば、道路マニアのジャンルの一つ。
国が認めた道路らしからぬ、突っ込み所だらけの道路を愛でるマニアたちである。
そんな訳で、著者のスタンスが
プロじゃなくて、研究者でもなくて、完全に「マニア」なんだよね。
その業界でしか通用しなさそうな俗称がバンバン出てきたり
(標識をオニギリって呼んでて、その派生形も出てくる)
僕より上の人がいっぱいいるよって話があったり、
好きなものを、延々と説明してもらっているような感じ。
他にも、
道路標識グッズの話に及んだり、
国道がらみの歌の紹介とか、
国道をつかった遊び方とか
何でもあり!の本の構成。
その国道への情熱に負け、一気に読んでしまいました。
もうひとつ面白かったのは、
分かっていない歴史を紐解こうとしている事。
今の道路網は、
確かな判断基準・意思決定基準があってが出来ているはずなんだけど、
その経緯は体系的には、どこにも記録されていない。
それを、昔の道路状況や地元の話、
わずかに残された石碑や標識から、紐解こうとしている事。
何の稼ぎにもならないし、世の役立つわけじゃないのに、
「知りたい」という想いだけで、埋もれた歴史を取り戻そうとする情熱。
めっちゃかっこいい、熱い想いです。