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お前らは先に行け!

30代関東リーマンの、日々の暮らしや体験記。

マリアビートル

ブックス!

盛岡行きの東北新幹線の中で繰り広げられる、伊坂幸太郎の殺し屋小説。

前作のグラスホッパーもだけど、一癖も二癖ある登場人物ばかり。

いつもの伊坂作品ほど伏線運びのキレは無かったけど、

キャラクターが濃くて、ストーリーを楽しめました。

マリアビートル (角川文庫) -
マリアビートル (角川文庫) -

そんな中で、注目のキャラクターは2人。

まずは、作中最大悪である王子。

中学生にして人心掌握術に長け、人生を潰すことに喜びを感じるサイコパス

弱そうであることを強み変え、言葉選び1つで立場をコントロールする。

1つ印象的だったのは、断定的な言葉選びをする事で、

「こいつは自分なりの価値観を持っている」と周りに思わせる手法。

意味はなくても「こいつ色々考えてるな」とさえ思わせられれば、

周りは自分の様子を伺うようになる。

些細なマウンティングを繰り返すことで、気づけば、立場が決められている。

そして、一番押したい登場人物は、

30年前に引退した伝説の殺し屋コンビ、木村夫妻。

同じく殺し屋の息子(と孫)のために終盤で立ち上がり、

ずっと圧倒的だった王子をあっという間に追い詰めます。

親がチートってのは、よくある話なんだけど、

ベタな話ってのは安定して盛り上がりますね。

誰も太刀打ち出来なかった悪を、経験と実力でねじ伏せる。

作中でも言われるんだけど「昔から存在しているものはそれだけで優秀だ」って。

老害って言葉もあるけど、

一方で親の世代は追い越すことのできないチートであるのもまた摂理。

東北新幹線、また乗りたいな〜。