あるブログ

府中在住のサラリーマンによる、日々の記録。子育て(兄と妹)/ご当地ソング/マンガ/ラジオ などのお話。記事に合わせて一曲選曲します。

【読書感想】砂漠

伊坂幸太郎作品がお気に入りです。
伊坂さんは仙台を拠点にしている事もあり、仙台が舞台の作品ばっかり。仙台好きの私は一層その世界にのめり込みます。
さて、私が一番お勧めしたいのは「砂漠」。 

大学生の日常を中心にすえた作品で、仙台で遊ぶために大学生になったような僕は、思い出話を聞くかのようにのめり込みました。春夏秋冬巡る季節と共に、ぱっと見ゆるく繰り返される日常が、実はしんしんと積み重なっていて、気づけばどれもこれも大切な物に。

18歳の当時の僕にとって「これから6年過ごす」というのは、恐ろしく長い道のりに思えて、 無下に過ごした時間が一杯あったように思えるけれど、それも含めて、全部大切な思い出になっています。

大学時代を思い出す時は、どうも美化しすぎてしまう傾向があるけれど、この作品を読んで郷愁に浸った読者の気持ちを見透かすように、著書の最後で、大学の学長はこう言い放ちます。

 

「学生時代を思い出して、懐かしがるのは構わないが、あの時は良かったな、オアシスだったな、と逃げるようなことは絶対に考えるな。そういう人生は送るなよ」

 

日々、ピークである人生を送りたいと胸に刻んで。